2025年11月3日月曜日

その他の医療系学部:視能訓練学科・言語聴覚学科の魅力と進路 【宗樹舎大学学部学科紹介 #36】

 1. 導入:学科の概要と社会での役割

視能訓練学科(視能訓練士)

目の健康を守る医療専門職「視能訓練士」を育成する学科です。視力検査や斜視・弱視の訓練、眼科検査のサポートなど、患者の視覚機能を改善・維持する役割を担います。

主な活躍分野:

  • 眼科病院・クリニック
  • 総合病院の眼科部門
  • 小児眼科や高齢者医療施設
  • 眼鏡・コンタクトレンズの専門施設
  • 健診センター

言語聴覚学科(言語聴覚士)

言語・聴覚・発声・嚥下(えんげ)の障害を評価し訓練する専門職「言語聴覚士」を育てます。話す、聞く、食べるといった日常生活の基本機能をサポートし、患者の生活の質を向上させます。

主な活躍分野:

  • 総合病院(リハビリテーション科、耳鼻咽喉科)
  • 回復期リハビリテーション病院
  • 福祉施設や療育センター
  • 特別支援学校
  • 保健センター

2. 学べること

基礎分野

  • 解剖学・生理学:目や耳、脳神経系の構造と機能
  • 心理学:認知機能や発達過程の理解
  • 医療倫理:患者の尊厳と権利の尊重
  • 社会福祉制度:医療・福祉サービスの基礎知識

応用・専門分野

視能訓練学科:

  • 視機能検査学(視力、視野、眼圧測定など)
  • 斜視・弱視の評価と矯正訓練
  • 眼科疾患の理解(白内障、緑内障、網膜疾患など)
  • 最新眼科検査機器の操作技術

言語聴覚学科:

  • 言語発達評価と訓練技法
  • 聴覚検査と補聴器フィッティング
  • 嚥下障害の評価とリハビリテーション
  • 失語症・構音障害への対応
  • 発達障害児への言語支援

実習・臨床技術

  • 臨床実習(2~4年次):実際の医療・福祉現場での実践的トレーニング
  • 模擬患者演習:コミュニケーション技術の習得
  • 検査データ分析:科学的根拠に基づいた評価・訓練計画の立案
  • 症例検討会:多職種連携の実践

3. 向いている人の特徴

学問への興味関心

  • 生物学や人体の仕組みに興味がある
  • 医療やリハビリテーション分野に関心がある
  • 心理学や発達について学びたい

必要な適性

論理的思考力: 検査結果を正確に判断し、科学的根拠に基づいた訓練計画を立てる能力が求められます。

コミュニケーション力: 患者や家族との信頼関係構築、多職種との連携が日常的に必要です。特に小児や高齢者、障害のある方と接する場面が多いため、相手の状況に応じた丁寧な対応が重要です。

観察力と洞察力: 患者の微細な変化や反応を見逃さず、適切な評価・訓練につなげる力が必要です。

忍耐力と粘り強さ: リハビリテーションは長期にわたることが多く、地道な努力を継続できる姿勢が大切です。

社会貢献意欲: 人の生活を支え、困っている人を助けたいという強い思いが原動力になります。

将来への関心との結びつき

  • 人の生活の質(QOL)向上に直接貢献したい
  • 医療チームの一員として専門性を発揮したい
  • 子どもから高齢者まで、幅広い世代と関わりたい
  • 安定した国家資格を取得し、長く働きたい

4. 将来の進路

主な就職先

視能訓練士:

  • 大学病院・総合病院の眼科
  • 眼科専門クリニック
  • 小児眼科・斜視弱視専門施設
  • 眼鏡・コンタクトレンズ専門店
  • 健診センター・検診機関
  • 医療機器メーカー(営業・教育担当)

言語聴覚士:

  • 総合病院・リハビリテーション病院
  • 回復期リハビリテーション病棟
  • 高齢者福祉施設(特別養護老人ホーム、デイサービス)
  • 療育センター・児童発達支援施設
  • 特別支援学校
  • 耳鼻咽喉科クリニック
  • 訪問リハビリテーション事業所

研究職や大学院進学の可能性

  • 視覚科学研究:視機能メカニズムの解明、新しい検査・訓練法の開発
  • 言語聴覚科学研究:言語発達、嚥下機能、高次脳機能の研究
  • リハビリテーション工学:支援機器や評価システムの開発
  • 大学院進学後:大学教員、臨床研究者、専門領域のスペシャリストとして活躍

資格とキャリアパスの例

視能訓練士:

  1. 国家資格取得後、病院・クリニックで臨床経験を積む
  2. 専門領域(小児、ロービジョン、神経眼科など)のスペシャリストへ
  3. 主任・管理職として部門マネジメントに携わる
  4. 認定資格(日本視能訓練士協会認定)取得でさらなる専門性向上
  5. 大学院進学後、教育職や研究職へ

言語聴覚士:

  1. 国家資格取得後、病院や福祉施設で臨床経験を積む
  2. 専門領域(失語症、嚥下、小児など)のスペシャリストへ
  3. 認定言語聴覚士(日本言語聴覚士協会)などの専門資格取得
  4. リハビリ科主任・管理職として部門運営に関与
  5. 独立開業(訪問リハビリなど)や教育職への転身も可能

共通のキャリアオプション:

  • 認定資格・専門資格の取得による専門性の向上
  • 海外研修や国際学会での発表
  • 医療機器メーカーや教育機関への転職
  • 執筆活動や講演活動

5. まとめ:学科の特徴と進学チェックポイント

各学科の特徴

視能訓練学科:

  • 目の機能改善と視覚ケアに特化した専門教育
  • 豊富な臨床実習で実践力を養成
  • 視能訓練士国家資格取得が卒業後の必須条件
  • 眼科医療の高度化に伴い、専門性の高い人材として需要増加

言語聴覚学科:

  • 言語・聴覚・嚥下という幅広い領域をカバー
  • 小児から高齢者まで、多様な対象者への支援技術を習得
  • 言語聴覚士国家資格取得が必須
  • リハビリテーション医療の中核を担う専門職

進学時のチェックポイント

教育環境:

  • 臨床実習の時間数と実習先の充実度(大学病院附属か、連携施設が豊富か)
  • 最新の検査・訓練機器の整備状況
  • 少人数教育の実施状況(実習指導の手厚さ)
  • 専任教員の臨床経験と研究実績

資格取得実績:

  • 国家試験合格率(全国平均との比較)
  • 過去3〜5年間の合格率推移
  • 国家試験対策プログラムの内容

就職実績:

  • 就職率と就職先の内訳
  • 希望職種への就職率
  • 卒業生の活躍状況
  • キャリア支援体制(就職ガイダンス、個別相談など)

その他:

  • 学費と奨学金制度
  • 立地とアクセス
  • 学生の雰囲気や学習環境
  • オープンキャンパスでの模擬実習体験

将来性と社会的意義

高まる社会的ニーズ:

  • 高齢化社会の進展により、視覚・聴覚機能の維持、嚥下機能のサポートへの需要が急増
  • 発達障害児への早期支援の重要性が認識され、言語聴覚士の役割が拡大
  • 生活習慣病に伴う眼疾患(糖尿病網膜症など)の増加で視能訓練士の需要増

安定したキャリア:

  • 国家資格に基づく専門職として安定した雇用
  • 医療・福祉・教育と幅広い分野で活躍可能
  • 結婚・出産後も復職しやすい(パート勤務、時短勤務も可能)
  • 地域を問わず全国で就職先がある

社会貢献の実感:

  • 患者の「見える喜び」「話せる喜び」「食べる喜び」を直接支援
  • 生活の質を向上させ、社会参加を促進する重要な役割
  • 患者や家族からの感謝を直接感じられるやりがいのある仕事

視能訓練士・言語聴覚士は、医療の進歩と社会の変化に伴い、今後ますます重要性が高まる専門職です。人の役に立ちたい、医療に貢献したいという志を持つ人にとって、充実したキャリアを築ける魅力的な進路といえるでしょう。


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👁️ 視能訓練学科 設置 国公立大学一覧(2026年度 調査結果)

【重要】調査結果:視能訓練士国家試験の受験資格を取得できる国公立大学は、2026年10月現在、全国に存在しません。

👀 視能訓練士(ORT)の役割と資格の魅力

  • **視能訓練士(Orthoptist / ORT)とは:** 視覚機能の検査・訓練を行う国家資格。眼科医療チームの重要な一員として活躍します。
  • **主な業務:** 視力検査、眼底検査、斜視・弱視の訓練指導、ロービジョンケアなどを担当します。
  • **国家試験合格率:** 新卒者の合格率は**98.7%**と非常に高水準であり、資格取得はほぼ確実です。

🗺️ 国公立志望者が視能訓練士になるための進路

国公立大学での養成課程がないため、視能訓練士を目指す方は以下の私立または専門教育機関をご検討ください。

1. 4年制私立大学(全国約10校)

  • **特徴:** 学士号(大卒資格)を取得できる。幅広い教養教育と研究活動に触れられる。
  • **メリット:** 病院や企業での昇進、大学院進学に有利。

2. 3年制専門学校(全国約20校)または短期大学

  • **特徴:** 実践的な教育に特化しており、比較的短期間で資格取得が可能。
  • **メリット:** **学費が抑えられる**。早く社会に出て現場経験を積みたい方に適しています。
  • **短期大学:** 国内唯一の養成短大として**平成医療短期大学**(岐阜)があります。

3. 1年制養成課程(大学卒業者向け)

  • **特徴:** 他学部(例:看護、教育)で大学を卒業した人が、専門教育のみを1年間で集中的に学ぶコース。
  • **メリット:** 国公立大学を卒業してから視能訓練士を目指したい方に最適です。

データ基準: 2026年度入試情報および2025年視能訓練士国家試験合格率

👁️ 視能訓練学科 設置 私立大学一覧(全10校 2026年度版)

視能訓練士(ORT)養成課程を持つ4年制私立大学は**全国に10校**のみです。国公立大学には設置されていないため、この10校が重要な選択肢となります。視能訓練士の国家試験合格率は**98.7%**と非常に高いため、大学選びでは**学費**、**立地**、そして**眼科医療機関との連携**を重視することが鍵となります。

🏆 私立大学 視能訓練学科 全10校一覧(偏差値順)

大学名(所在地) 偏差値
(最高)
4年間総額学費 国試合格率
(2024新卒)
特色・備考
愛知淑徳大学(愛知) 40.0 約640万円 100.0% 養成大学で最高偏差値。総合大学の強みと附属クリニックでの実習。
大阪人間科学大学(大阪) 37.5 約648万円 **100.0%** 2024年**新卒者全員合格**。関西地区で唯一の4年制大学養成課程。
国際医療福祉大学(千葉) 37.5 約635万円 100.0% 高い合格率。多数の医療系国家資格養成を持つ総合大学。
北里大学(神奈川) 37.5 約690万円 非公表 医学部や附属病院を持つ医療系名門。眼科医療との連携が強み。
福岡国際医療福祉大学(福岡) 37.5 **約630万円** 100.0% **4年間学費が最も安いグループ**。高い合格率と九州地方の就職に強い。
新潟医療福祉大学(新潟) データなし 約640万円 100.0% 高い合格率。多職種連携教育が充実。

💡 私立大学視能訓練学科 選び方のポイント

1. 合格率は「100%」が当然の基準

  • 視能訓練士の**新卒者合格率は全国平均98.7%**と非常に高く、リストにある多くの大学が**100%**を達成しています。
  • そのため、合格率の心配は少なく、**立地や学費、教育内容**を優先して選んで問題ありません。

2. 4年間学費は「約630万円〜710万円」

  • 私立大学の4年間総学費は、専門学校(約300万~500万円)より高額になりますが、大学間の差は100万円程度です。
  • **福岡国際医療福祉大学**は比較的学費が安く抑えられています。

3. 総合大学と単科大学の比較

  • **愛知淑徳大学**や**北里大学**などの総合大学は、幅広い教養と他の医療専門職との連携教育が充実しています。
  • **国際医療福祉大学**などの医療系単科大学は、医療に特化した教育環境が強みです。

データ基準: 2026年度入試情報および2024年視能訓練士国家試験新卒合格率(一部大学抜粋)

🗣️ 言語聴覚学科 設置 国公立大学一覧【全1校・完全版】

言語聴覚士(ST)の養成課程を持つ国公立大学は、全国で**わずか1校**のみの超希少な存在です。それが**県立広島大学**です。
学費は私立の約1/3、国家試験合格率は**3年連続100%**という、圧倒的なコストパフォーマンスと教育実績を誇ります。

⭐ 唯一の国公立養成校:県立広島大学

基本情報(県立広島大学 保健福祉学部 コミュニケーション障害学科)
設置/所在地 公立大学(広島県立) / 広島県三原市(三原キャンパス)
募集定員 合計 **25名**(前期20名、後期5名)
偏差値 / 共テ得点率 51~58 / 60~68%
4年間学費総額(県内者) **約242万円**(私立平均の約1/3)

💰 圧倒的な低コスト!学費詳細

  • **入学料:** 県内者 282,000円 / 県外者 423,000円
  • **授業料(年額):** 535,800円
  • **4年間総額:** **県内者 約242万円**、**県外者 約256万円**
  • 私立大学平均(約662万円)と比較して、**約400万円以上**の節約が可能です。

🎯 入試情報(2025年度実績)

入試方式 募集定員 入試倍率 個別検査
前期日程(一般選抜) 20名 約3.3倍 小論文(200点)
後期日程(一般選抜) 5名 **約17.6倍**(超難関) 面接(100点)

💯 驚異の実績!国家試験合格率

2024年度(令和6年度)実績

**合格率 100%**

(受験者26名中 26名合格) 全国平均 72.9%

過去5年間の合格率推移

年度 合格率 全国平均
2024100%72.9%
2023100%72.4%
2022100%75.0%

※5年平均合格率:98.3%

✅ 受験のメリット・デメリット

メリット(選ぶべき理由)

  • **圧倒的な学費の安さ:** 私立の約1/3。4年間で400万円以上の節約。
  • **国公立大学の信頼性:** 高い教育水準と充実した研究環境。
  • **驚異的な国家試験合格率:** 3年連続100%達成、手厚い指導の賜物。
  • **少人数制教育:** 定員25名で、きめ細やかなサポート体制。

デメリット・注意点(準備すべきこと)

  • **非常に高い競争倍率:** 後期日程は特に超難関(約17.6倍)。
  • **共通テスト必須:** 5教科7科目の高得点(60~68%が目安)が必要。
  • **地理的な立地:** 広島県三原市(東京・大阪圏からは遠方)。

データ基準: 2026年度入試情報、2024年度国家試験実績

🗣️ 言語聴覚学科 設置 私立大学一覧(全31校 2026年度版)

言語聴覚士(ST)養成課程を持つ4年制私立大学は、全国に**31校**あります(短大除く)。国公立大学は**県立広島大学のみ**と非常に少ないため、私立大学が主要な選択肢となります。大学選びでは、全国平均**72.9%**(2025年度)を大きく上回る**国家試験合格率**を持つ大学を選ぶことが重要です。

🏆 私立大学 言語聴覚学科 注目校一覧(合格率・偏差値 優秀校)

大学名(所在地) 偏差値
(最高)
4年間総額学費 国試合格率
(2024新卒)
特色・備考
国際医療福祉大学(千葉) 45~52 約640万円 **98.7%** 合格者数全国1位(定員120名)。高い合格率と全国の主要病院への圧倒的な就職実績。
北里大学(神奈川) 48~54 **約705万円** 93.1% 医学部を擁する名門医療系大学。附属病院での高度な実習。学費は高め。
大阪人間科学大学(大阪) 45~50 約648万円 **100.0%** **新卒者全員合格**を達成。少人数制(定員25名)の手厚い指導が強み。
東海学院大学(岐阜) 40~46 **約532万円** 73.7% **私立大学で最安クラスの学費**。地域医療への貢献を目指す。

💡 私立大学言語聴覚学科 選び方のポイント

1. 国家試験合格率90%以上を推奨

  • 言語聴覚士の全国平均合格率は**72.9%**と、他の医療系資格に比べて低めです。
  • **合格率90%以上**の大学(国際医療福祉大学、川崎医療福祉大学、北里大学など)は、徹底した国家試験対策が期待できます。

2. 4年間学費の差が大きい(約532万円〜720万円)

  • 私立大学の学費は、**東海学院大学(約532万円)**から**杏林大学(約720万円)**まで、最大で200万円近い差があります。
  • 学費と立地、合格率のバランスを慎重に比較検討しましょう。

3. 大学の規模と教育スタイル

  • **国際医療福祉大学**のような大規模校(定員120名)は、豊富な設備と幅広い教育が特徴です。
  • **大阪人間科学大学**のような小規模校(定員25名)は、少人数制の手厚い指導とアットホームな環境が魅力です。

データ基準: 2026年度入試情報および2024年言語聴覚士国家試験新卒合格率(一部大学抜粋)

終わりに

高校生のみなさん、進路調べの宿題で「どんな学部・学科があるのか」と最初から把握している人は、意外と少ないのではないでしょうか。世の中のサイトを見ても、知っている人は情報を調べられますが、知らない人は何を調べればいいのか最初はわからない状態になりがちです。そこで、こうした疑問を少しでも解消できるように、今回、塾のブログで紹介することにしました。みなさんの参考になれば幸いです。


学習塾宗樹舎のHPはこちら👉https://soukisya.com/

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