2025年11月9日日曜日

🧠共通テスト現代文で差がつく「読み方」と「出題者の意図の見抜き方」

 1. 共通テスト現代文は「センス」ではなく「技術」の試験

共通テストの現代文では、文章を正確に読み取り、本文の根拠に基づいて解答する力が問われます。感覚的な「国語力」よりも、「情報整理力」と「論理的思考力」が重要です。

「なんとなく分かるけど、選択肢で迷う」という人は、"読み方"と"選び方"の型を知らないだけです。正しい解法パターンを身につければ、誰でも安定して得点できるようになります。


2. あなたはどっちのタイプ?「設問先読み型」VS「本文先読み型」

現代文は、読む順番ひとつで効率が大きく変わります。まず、自分に合った読み方を見極めましょう。

【タイプ①】設問先読み型(目的意識型)

特徴:

  • 問題を先に読むことで、「何を探せばいいか」を意識してから本文を読む
  • 集中力が続きにくい人、読むのに時間がかかる人に向いている

メリット:

  • 設問のキーワードが頭に残り、該当箇所を見つけやすい
  • 複数資料型の問題でも、目的を持って読める

デメリット:

  • 設問を意識しすぎて、本文全体の論理構造を見失う可能性がある
  • 部分的な理解にとどまり、文脈を読み違えるリスクがある

【タイプ②】本文先読み型(全体理解型)

特徴:

  • 本文を最初から最後まで通読する
  • 全体の流れや筆者の主張をつかむことを重視
  • 読解が速い人、文章構造を意識できる人に向いている

メリット:

  • 全体の論理構造を把握した上で選択肢を判断できる
  • 部分的な表現に惑わされにくく、文脈的な「ひっかけ」に強い

デメリット:

  • 時間がかかる場合がある
  • 設問との対応を見失うと、本文を何度も読み返すことになる

💡おすすめは「設問確認→本文通読→設問に戻る」ハイブリッド型

最初に設問をざっと眺めて(詳しく読まない、解答欄は見ない)、どんなテーマが問われているかだけ把握します。その後、本文を通読し、最後に設問に取り組む。この方法なら、全体理解と問題意識を両立できます。


3. 出題者の"罠"を見抜け!選択肢には法則がある

共通テストの現代文では、選択肢が「どれも正しそう」に見えるように作られています。しかし、不正解の選択肢にはパターンがあります。

【選択肢の6タイプ】

タイプ特徴見抜くポイント
✅ 正解本文の内容に忠実。主語・述語・因果関係が本文と対応本文中の複数箇所と整合する。極端な表現がない
🚫 反対本文の内容と逆のことを述べている対比関係(「しかし」「一方」)や否定表現を確認
🚫 すりかえ主語・目的語・因果関係などが本文と微妙にずれているAとBの関係性、「誰が」「何を」を丁寧に照合
🚫 不足一部は正しいが、筆者の意図や重要な要素が抜け落ちている「部分的に正しい」ものほど危険。全体の論旨と照合
🚫 勝手なことを言う本文に書かれていない内容を述べている「常識的に正しい」≠「本文の根拠がある」に注意
🚫 言い過ぎ「すべて」「必ず」「完全に」など断定的・極端な表現本文がそこまで強く主張していないか確認

⚠️ 特に注意すべきパターン

「すりかえ」と「不足」が最も引っかかりやすい不正解パターンです。

  • すりかえ型:主語や因果関係が微妙に違う。「AがBを生む」が「BがAを生む」になっているなど
  • 不足型:本文の一部を切り取っただけ。「本文にその表現がある=正解」ではない
  • 勝手なことを言う型:一般常識として正しくても、本文に根拠がなければ不正解

4. 問題作成者の"視点"を読む練習をしよう

次のように考えてみてください:

「この問題の作成者は、本文のどの部分を"正しく読めていない人"に間違えさせたいのか?」

この視点を持つだけで、設問の見え方が変わります。

重要な原則:

  • 正解の選択肢は、本文の「論の中心(主張・結論)」から作られる
  • 不正解の選択肢は、「具体例」「補足説明」「比喩」など"周辺情報"から作られることが多い

つまり——
「どこが主張で、どこが説明・例示なのか」を区別できる人が強い。
それが、共通テスト現代文で高得点を取る人の共通点です。


5. 実戦で使える3ステップ解法

1️⃣ 設問をざっと確認

何が問われるかを把握(この段階では深く読まない)

2️⃣ 本文を読む(構造を意識)

  • 接続語(しかし、そのため、つまり)にマーク
  • 対比(AとBの違い)を押さえる
  • 指示語(これ、その)が何を指すか確認
  • 筆者の主張具体例・説明を区別

3️⃣ 選択肢を分類

各選択肢を「反対/すりかえ/不足/勝手なことを言う/言い過ぎ/正解」の6タイプで分類し、本文の根拠と照合

「設問→本文→選択肢」を往復しながら、根拠を持って選ぶ。
それだけで現代文は"感覚の科目"から"再現可能な科目"に変わります。


6. まとめ:共通テスト現代文は、「精読」と「論理的判断」の試験

共通テスト現代文で高得点を取るには:

自分に合った読み方(本文先読み/設問先読み/ハイブリッド)を確立する

選択肢のパターンを理解し、出題者の意図的な罠を見抜く

本文の根拠に基づいて判断する習慣をつける(感覚ではなく論理で選ぶ)

主張と説明・例示を区別する読み方を身につける

これができれば、模試でも本番でも得点を安定させ、自己ベストを更新できるようになります。


📌 補足:日頃の学習で意識すること

  • 過去問・問題集を解いた後、必ず「なぜこの選択肢が正解/不正解なのか」を言語化する
  • 「なんとなく」で選んだ問題は、正解でも復習する
  • 選択肢を作る側の視点で、「どうすれば受験生が迷うか」を考えてみる

この訓練を繰り返すことで、出題者の思考パターンが見えてくるようになります。



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