1. 導入|政治学部で何を学ぶのか
政治学部は、国家や地方自治体、国際社会がどのような仕組みで動いているのかを、理論と実証の両面から学ぶ学部です。法学・経済学・社会学・国際関係論などと連携しながら、現代社会が直面する課題を多角的に分析し、より良い制度や政策を構想する力を養います。
卒業後は、国家公務員・地方公務員、報道機関、シンクタンク、企業の企画・広報部門、国際機関、NPO・NGOなど、社会の意思決定や公共的な課題解決に関わる分野で活躍する卒業生が多いのが特徴です。
2. 学べること
基礎分野
政治学部では、政治現象を理解するための理論的・歴史的基盤を学びます。
- 政治学原論(権力・国家・民主主義の本質)
- 憲法・行政法の基礎
- 日本政治史・日本政治論
- 比較政治学(各国の政治制度や政治文化の比較)
- 政治思想史(プラトンから現代まで)
- 政治過程論(選挙、政党、利益団体、世論)
📌 ニュースの背景にある構造や歴史的文脈を理解する力が身につきます。
応用・専門分野
基礎理論をもとに、現代社会の具体的な政治課題を扱います。
- 公共政策論(少子高齢化、環境政策、社会保障など)
- 国際政治学・国際関係論
- 安全保障論(外交・防衛政策)
- 地方自治論・都市政策
- 政治経済学(政治と経済の相互作用)
- グローバル・ガバナンス論(国際機構、地球規模課題)
大学例:
- 早稲田大学 政治経済学部:政治学科で政治理論から実証分析まで幅広く展開
- 慶應義塾大学 法学部政治学科:法学部内に設置され、法律学との連携が強い
- 立教大学 法学部政治学科:政治思想・国際政治に強み
実習・演習・分析技術
政治学部では、知識だけでなく「調査し、分析し、発信する力」も重視されます。
- 少人数ゼミナールでの文献講読・討論・論文執筆
- 量的調査法(統計分析、世論調査の設計と分析)
- 質的調査法(インタビュー、参与観察)
- 政策立案演習(模擬議会、政策提言プレゼンテーション)
- フィールドワーク(自治体や国際機関での実地調査)
📊 近年はデータサイエンス的手法(統計ソフトの活用、ビッグデータ分析)を取り入れる大学も増加しています。
特徴的なプログラム例
- 東京大学 法学部第3類(政治コース):政治学・国際関係論の研究者養成に強み
- 明治大学 政治経済学部:地域連携型の政策研究プロジェクト
- 上智大学 総合グローバル学部:国際政治・開発・人権に特化したカリキュラム
- 神戸大学 法学部政治学科:公共政策志向のカリキュラム
3. 向いている人の特徴
興味・関心
- 社会問題やニュースに日常的に関心がある
- 「なぜこの制度が存在するのか」「どうすればより良くなるか」と考えるのが好き
- 歴史的背景や国際比較に興味がある
必要な適性
- 論理的思考力:複雑な社会現象を整理し、因果関係を考える力
- 読解力・文章力:学術文献や政策文書を読み、自分の考えを明確に表現する力
- 多様な意見を尊重する姿勢:異なる立場や価値観を理解し、建設的に議論できる力
将来像との結びつき
- 社会に広く影響を与える仕事に携わりたい
- 人々の生活を支える制度づくりに関わりたい
- 公共的な価値を大切にする分野で働きたい
4. 将来の進路
主な就職先
| 分野 | 具体的な就職先・職種例 |
|---|---|
| 公務員 | 国家公務員(総合職・一般職)、地方公務員、国際公務員 |
| 民間企業 | 総合商社、金融、メーカー、IT企業の企画・人事・広報部門、コンサルティング |
| マスコミ・メディア | 新聞社、放送局、出版社、ウェブメディア |
| シンクタンク・調査機関 | 政策研究機関、世論調査会社 |
| 国際機関・NGO/NPO | 国連機関、国際NGO、市民活動団体 |
大学院進学・研究職
- 政治学・公共政策学・国際関係論の大学院への進学
- 将来、大学教員や研究職、政策専門家を目指す道もあり
関連資格・キャリア例
- 公務員試験(国家総合職・一般職、地方上級など)
- 行政書士
- 外務省専門職員試験
- 国際協力分野(JICA、国際機関職員など)
5. まとめ|政治学部進学を考えるポイント
政治学部の特徴
- 社会の仕組みを理論と実証データの両面から学ぶ
- ニュースや社会問題を構造的に理解できる力が身につく
- 公共性の高い分野への進路に強い
大学選びのチェックポイント
- ゼミ・演習の充実度:少人数教育が手厚いか
- カリキュラムの特色:国際政治重視型か、公共政策重視型か、政治理論重視型か
- 実習・連携プログラム:自治体・国際機関との連携、海外研修の有無
- 卒業生の進路実績:公務員合格実績、民間就職先の傾向
政治学部は、「社会をより良くするには何が必要か」を本気で考え、実践する人のための学部です。将来の具体的な職業が定まっていなくても、「社会の課題に関心がある」「公共的な価値を大切にしたい」という思いがあれば、挑戦する価値は十分にあります。
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高校生のみなさん、進路調べの宿題で「どんな学部・学科があるのか」と最初から把握している人は、意外と少ないのではないでしょうか。世の中のサイトを見ても、知っている人は情報を調べられますが、知らない人は何を調べればいいのか最初はわからない状態になりがちです。そこで、こうした疑問を少しでも解消できるように、今回、塾のブログで紹介することにしました。みなさんの参考になれば幸いです。

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