現代の中学生・高校生を見ていると、「いかに早く、正しい答えにたどり着くか」に重点を置き、その過程(プロセス)を軽視する傾向があるように感じます。スマートフォンやインターネットを使えばすぐに答えが見つかる時代において、この傾向は自然な流れかもしれません。しかし、この学習スタイルを続けていると、将来、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
今は良くても、将来「困る」ワケ
テストで良い点を取り、表面上は「できる子」に見えても、答えだけを追い求める学習には以下のような大きなデメリットが潜んでいます。
学問の深化についていけない 高校や大学に進むと、単に公式を当てはめるだけでなく、物事の本質を理解し、複数の知識を組み合わせて複雑な問題を解決する能力が求められます。中学時代に「なぜそうなるのか」という過程を無視していると、より高度な学問の段階でつまずき、深い学びに対応できなくなります。
応用力・問題解決能力の欠如 実際の社会や仕事の現場には、「正しい答え」が用意されていることはほとんどありません。多くの場合、漠然とした状況の中から「何が問題なのか」を自分で見つけ出し、解決策を考え、実行する力が不可欠です。過程を軽視した学習では、この「問題設定」から「解決」までの一連の思考プロセスが育たないため、いざという時に何もできない、という事態に陥りかねません。
変化への適応力の低下 現代社会は変化のスピードが非常に速く、新しい知識や技術が次々と生まれています。過去の成功体験や丸暗記した知識だけでは、すぐに通用しなくなります。未知の状況に対しても、原理原則に立ち返って考え、柔軟に対応する力が求められますが、答えだけを追う学習では、そうした思考力が身につきません。
主体性の欠如 常に「答え」を探すことに慣れてしまうと、「誰かが正解を教えてくれる」という受け身の姿勢が身につきます。これでは、自分の頭で考え、意見を持ち、行動を起こす主体性が育ちにくくなります。
テストの点数だけでは測れない「真の進歩」
「でも、テストの点数が良ければ問題ないでしょ?」と考える人もいるかもしれません。しかし、テストの点数という結果だけを唯一の評価基準にしている限り、子どもたちは根本的な学習方法を変えようとはせず、本当の意味での進歩は滞ってしまいます。
テストの点数偏重は、以下のような悪循環を生みます。
表面的な理解で満足し、思考が深まらない
短期記憶への依存が進み、知識が定着しない
苦手分野を放置し、基礎的な弱点が克服されない
「知りたい」という内発的動機が育たず、学習意欲が低下する
試行錯誤の機会が失われ、問題解決能力が育たない
テストの点数はあくまで一つの指標に過ぎません。その奥にある、子どもたちの「考える力」「探求する力」「諦めない力」といった、より本質的な力を育む視点が、今こそ求められています。
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