2025年8月20日水曜日

物理の解法に「ひらめき」はいらない! 正しい手順で必ず解けるようになる

 「物理は難しい」「何をどう考えればいいか分からない」と感じている高校生は多いのではないでしょうか。しかし、物理の問題は「特別なひらめき」で解くものではありません。大切なのは、正しい手順(型)を身につけることです。

この手順をマスターすれば、どんな問題にも自信を持って取り組めるようになります。

1. 問題を図で正確に整理する

まず、問題文を一字一句おろそかにせずに読み、状況を図に描き出しましょう。このとき、先入観や思い込みは一切捨ててください。「きっとこうなるだろう」という推測はせず、問題文に書かれている事実のみを客観的に図にまとめます。

  • 登場する物体:質量はいくらか?

  • はたらく力:重力、垂直抗力、摩擦力、張力など、見落としなくすべて書き込む。

  • 運動の向き:どちらの方向に動いているのか?

  • 座標軸:運動の向きに合わせて、x軸とy軸を適切に設定する。

このステップで、曖昧な点がないようにしておきましょう。


2. 物理法則を冷静に選択する

図が完成したら、次にこの問題に適用できる物理法則を考えます。ここで最も重要な判断基準は、「物体に加速度が生じているか」どうかです。

  • 加速度が0の場合(静止している、または等速直線運動) 物体にはたらく力の合力は0になります。この場合は、「力のつりあいの式」を立てます。

  • 加速度が0ではない場合(速さが変化している) 物体にはたらく力の合力は0ではありません。この場合は、ニュートンの運動方程式)を立てます。

また、力や加速度が直接関わらない問題では、エネルギー保存の法則運動量保存の法則も選択肢に入ります。問題文のキーワード(「滑らかな斜面」「衝突」など)をヒントに、どの法則が最も適しているかを判断しましょう。


3. 立てた式を数学的に解く

ここまでのステップで、ようやく式を立てる準備が整いました。そして、式を立て終わった後は、完全に数学の問題として向き合います。

  1. 立式: ステップ1で描いた図とステップ2で選んだ法則に基づき、正確な式を立てます。

  2. 計算: 立てた式が連立方程式であれば、代入や消去法を使って解いていきます。

このプロセスでは、もはや「物理」の思考は必要ありません。ひたすら正確に計算を進めるだけです。計算が終わったら、答えの単位符号が物理的に正しいかを最後に確認しましょう。


まとめ

物理の問題は、「物理的な分析」「数学的な計算」という2つのステップに分けて考えるのが成功の鍵です。

  1. 物理的分析:図示と物理法則の選択(先入観を捨てる

  2. 数学的計算:式を立て、数学的に解く

この「型」を繰り返し練習することで、どんな問題にも自信を持って取り組めるようになります。ぜひ、今日からこの手順を意識して学習してみてください。


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