「うちの子、総合型でいけるかな?」「AO入試って今もあるの?」といったご相談、最近とても増えています。実は、「AO入試」は2019年度から「総合型選抜」と名称が変わり、その内容も大きく進化しています。
現在の大学入試では、皆さんお馴染みの「一般選抜(学力試験)」の他に、「学校推薦型選抜」、そして今回ご紹介する「総合型選抜」といった、学力だけではない多様な力を評価する入試方式が広がっています。特に総合型選抜は、お子さんの個性や探究活動、将来への展望などが重視される、まさに“人間力”が問われる入試と言えるでしょう。
総合型選抜ってどんな入試?
総合型選抜は、一般選抜とは異なり、原則として一斉の学力試験はありません。(ただし、大学や学部によっては共通テストや独自の学力試験が課される場合もありますので、全く学力が問われないわけではありません。)
その代わりに、以下のような様々な要素を総合的に評価することで、お子さんの潜在能力や適性を見極めます。
志望理由書、自己推薦書: なぜその大学で何を学びたいのか、将来どうなりたいのか、といったお子さん自身の思いや将来像が問われます。
学校での成績(調査書): 日頃の学習への取り組みや成績も評価の対象です。
課外活動・ボランティア・コンテスト等の実績: 部活動、生徒会活動、ボランティア活動、各種コンテストでの入賞など、学校内外での多様な経験が評価されます。
面接、小論文、プレゼンテーションなどの選考: 自分の考えを論理的に表現する力や、コミュニケーション能力、主体性などが試されます。
つまり、「日頃の学習や活動実績」に加えて「志望理由や個性・人柄」、そして「基礎的な学力」を総合的に評価する入試形式なんです。
家庭でできる3つのサポート:いつからどう備える?
総合型選抜は、高校3年生の夏から秋(9月〜11月頃)に出願・選考が始まるケースがほとんどです。そのため、高校2年生の終わり頃には志望校をある程度絞り込んでいることが望ましいとされています。
「高校1年生〜高校2年生で何に取り組み、どんな経験を積むか」が合否を大きく左右すると言っても過言ではありません。では、ご家庭ではどのようなサポートができるのでしょうか?
1. 活動の幅を広げるサポート
お子さんの「好き」や「興味」を応援する姿勢が何よりも大切です。部活動、生徒会活動、ボランティア、探究活動、課外セミナー、読書感想文コンクール、プレゼン大会など、様々な活動に積極的に挑戦させてみましょう。これらの経験は、自己推薦書や面接で語る「お子さんだけの強み」になります。
2. 進路について話す習慣をつける
総合型選抜では、志望理由書で問われる「将来の夢」や「なぜこの大学で学びたいのか」といった、お子さん自身の明確な目標意識が非常に重視されます。日頃から、「将来どうなりたい?」「そのためにはどんなことを学んだらいいかな?」といった問いかけをしてみてはいかがでしょうか。ご家庭での対話が、お子さんの進路への意識を育む大きな力となります。
3. 「書く力」「話す力」を鍛える
自己PR、小論文、面接といった選考では、「自分の考えを論理的に整理し、相手に伝える力」が不可欠です。
読んだ本の感想を日記に書いてみる。
ニュースについてご家庭で意見を交換する。
学校の授業での発表に積極的に挑戦する。
このような日々の小さな積み重ねが、お子さんの「書く力」「話す力」を大きく伸ばします。
まとめ:総合型選抜は「第3の選択肢」として知っておきましょう
総合型選抜は、「一発勝負の試験に弱い子」だけが利用する入試ではありません。むしろ、「将来への明確な意欲がある」「自分の個性を活かして学びたい」という意欲的なお子さんにとって、本来の力を最大限に評価してもらえる素晴らしい入試方式です。
保護者の方としては、まず「大学入試の選択肢の一つ」として総合型選抜について知っておくことで、お子さんの可能性をさらに広げることができます。
ご家庭でのちょっとした声かけや応援が、お子さんの受験、そして将来への大きな後押しになるはずです。ぜひ、この機会にお子さんと一緒に将来について語り合ってみてはいかがでしょうか?
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