進路相談をしていると、こんな質問を受けることがあります。
「資格が取れる学部の方が安心ですよね?」
確かにそう思う気持ちは分かります。
将来が不安。仕事が見つかるか不安。
だから、資格があれば安心だと考えたくなります。
実際、資格が強みになる場面はあります。
「資格が取れる学部を選べば安心」——これは必ずしも正しくありません。
なぜなら、資格と職業人生は別だからです。
実は私も資格を持っています。測量士補です。
高校生の皆さんの中には、聞いたことがない人もいるかもしれません。測量に関する国家資格です。
では、私は今、測量の仕事をしているのでしょうか。
していません。塾講師をしています。
資格を取ったから、その仕事に就く
→ とは限りません
資格は「保険」であり「選択肢のひとつ」
→ 別の道を選ぶことは普通にある
「じゃあ意味なかったんですか?」と思うかもしれません。
でも私はそうは思っていません。
当時の私にとって、測量士補は保険でした。将来の選択肢の一つでした。
結果として別の道を選びましたが、選択肢を持っていたこと自体には価値がありました。
資格は、将来を保証するものではありません。選択肢を増やすものです。
実際、大学で学んだことと違う仕事をしている社会人はたくさんいます。
資格を取ったけれど使っていない人もたくさんいます。
もちろん、資格が重要な職業もあります。
医師・薬剤師・看護師・理学療法士——こうした仕事は資格がなければ働けません。その場合、資格取得は非常に重要です。
しかし、それでも考えなければならないことがあります。
資格を取ることが目的になってしまうと、その先が見えなくなります。
これは、大学合格を目的にしてしまうことと似ています。
本当に考えるべきなのは、資格の先です。
どんな仕事をするのか。どんな生活を送りたいのか。どんな人になりたいのか。
そこまで考えて初めて、資格の価値が見えてきます。
私は進路を考えるとき、資格について次の3つを調べることを勧めています。
私自身、測量士補を持っていますが、現在は塾講師です。高校生の頃に、この未来を正確に予想できたかと言われたら無理だったと思います。
だからこそ、進路選択は未来を当てるゲームではありません。
その時点で最善と思える選択をして、必要に応じて修正していく作業です。
進路選択は、資格選びではありません。
自分の未来について仮説を立てる作業です。
その視点を持てれば、学部選びの見え方は大きく変わるはずです。
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