2025年11月12日水曜日

💼 公務員 — 社会の安心と仕組みを支える"縁の下の力持ち" 【宗樹舎職業紹介シリーズ #23】

 💼 職業の概要

公務員は、国や地方自治体の職員として、社会の仕組みが円滑に動くように支える仕事です。住民サービス、教育、福祉、インフラ整備、災害対応など、私たちの暮らしのほぼ全分野に関わります。

「困った時に助けてくれる存在」というイメージが強く、安定した働き方と社会貢献の両立ができる職業として人気があります。仕事内容は多岐にわたるため、興味や得意分野を活かしやすいのも魅力です。

📋 仕事内容(例)

公務員の業務は、国家公務員・地方公務員で大きく異なります。

地方公務員の主な業務

  • 住民票・戸籍など窓口業務
  • 税金や予算の管理
  • 福祉・子育て支援に関する業務
  • 地域のインフラ整備の企画・管理
  • 災害対応、危機管理、防災計画の作成

国家公務員の主な業務

  • 国の政策の企画・立案
  • 法律・予算の作成
  • 国際関係の調整
  • 各省庁での専門業務(財務・教育・厚生労働など)

🌍 働く場所

公務員の活躍の場は多岐にわたります:

地方公務員

  • 市役所・区役所・町役場
  • 都道府県庁
  • 公共施設(図書館・福祉センター・保健所など)
  • 警察官・消防士(地方公務員の特別職)
  • 公立学校の教員

国家公務員

  • 各省庁(総務省・財務省・文部科学省など)
  • 税務署・労働局・入国管理局などの各機関
  • 裁判所・国会
  • 自衛官(国家公務員の特別職)

💰 平均年収

公務員の平均年収は約675万円で、国家公務員の年収は約684万円、地方公務員の年収は約666万円となっています。民間企業の平均年収は約460万円ですので、公務員の年収は高いと言えます。

国家公務員の年収

国家公務員(全俸給表)の平均給与月額は424,979円、俸給は345,458円で、平均年収は約708万円(7,075,900円)です。

区分年収の目安
全体平均約680万円
行政職(一)(平均)約673万円(2024年)、約690万円(2025年見込み)
若手(20代後半)約350〜450万円
中堅(30代後半)約500〜650万円
管理職(40〜50代)700万円以上
事務次官(最高位)約2,318万円

地方公務員の年収

全地方公共団体の地方公務員全職種の諸手当を含む平均給与月額は41万6,075円、平均年収は約666万円です。

区分年収の目安
全体平均約666万円
一般行政職約641万円
都道府県庁職員約662万円
政令指定都市職員約680〜700万円
若手(20代後半)約350〜450万円
中堅(30代後半)約500〜650万円
管理職(40〜50代)700万円以上

初任給

大卒程度の場合、国家公務員・地方公務員の初任給は以下の通り 

学歴国家公務員(月給)地方公務員(月給)
大卒約22万円約21万円
高卒約18万円約17万円

退職金

定年を迎えた国家公務員のうち常勤職員の退職金は、平均勤続年数35年7ヵ月で平均2,147万円。地方公務員(都道府県)の定年退職者の平均は2,287万円です。

ポイント:

  • 民間より突出して高いわけではないが、「安定した昇給・手厚い福利厚生・雇用の安定」が大きな強み
  • 公務員は所属しているだけで毎年給料が上がっていく
  • ボーナスは年間約4.5〜4.65ヶ月分

🎓 なるための道のり

公務員になるには、公務員試験に合格する必要があります。

1. 高校卒業後、大学へ進学(必須ではないが有利)

法学部・経済学部・政治学系が人気だが、学部に制限はない。高卒で受験できる区分もあります。

2. 公務員試験を受験

試験は国家公務員・地方公務員で分かれ、さらに職種・難易度別に区分されます:

国家公務員試験

  • 国家総合職(旧Ⅰ種、キャリア官僚)
  • 国家一般職(旧Ⅱ種)
  • 国家専門職(国税専門官・財務専門官・労働基準監督官など)

地方公務員試験

  • 地方上級(大卒程度、都道府県・政令指定都市)
  • 地方中級(短大卒程度、市区町村)
  • 地方初級(高卒程度)

3. 試験内容

一般的な試験内容:

  • 教養試験(知能分野・知識分野)
  • 専門試験(行政・法律・経済など)
  • 論文試験
  • 面接・人物試験

4. 面接・人物試験を通過

コミュニケーション・協調性・誠実性が見られます。

5. 採用後、各部署で実務を経験

数年ごとに異動があり、多様な業務に携わります。

📊 難易度

項目難易度説明
大学受験★★☆☆☆文系全般で受験しやすく、学部の縛りも弱い
公務員試験★★★★☆試験範囲が広く、長期の勉強が必要。倍率も高いことがある
面接・人物試験★★★☆☆コミュニケーション能力・人物評価が重視される
独立・開業☆☆☆☆☆公務員は独立開業しない働き方
総合評価★★★☆☆試験対策は大変だが、努力が結果につながりやすい

💡 必要なスキル・適性

基本スキル

  • 誠実さと責任感
  • 法律・社会制度への関心
  • 住民や社会のために働く意欲

コミュニケーション能力

  • 住民対応・窓口業務
  • 他部署・他機関との調整
  • チームで働く協調性

事務処理能力

  • 正確な書類作成
  • データ管理
  • PC操作スキル

継続力

  • コツコツ学習できる継続力
  • 公務員試験の長期勉強に耐える精神力

✅ 向いている人・向いていない人

向いている人

  • 人をサポートすることにやりがいを感じる
  • 安定した職業で長く働きたい
  • 細かい作業を正確にこなせる
  • 社会貢献に興味がある
  • ルールを守ることが苦にならない

向いていない人

  • ルールや規則に縛られるのが苦手
  • 変化の激しい働き方を好む
  • 同じ環境で長く働くのが苦手
  • コミュニケーションが極端に苦手
  • 高収入を最優先に考える

🌟 将来性

プラス要因

  • 安定した雇用: 公務員の地位は法律で定められているため、年収が大幅に低下したり、不当に解雇されることはほとんどない 
  • 社会的ニーズ: 社会インフラ・福祉・防災など私たちの生活に欠かせない業務
  • 退職金の確実性: 民間企業では退職金そのものを廃止したり、毎月の給与に上乗せして支給するなど、退職時に必ず退職金が支払われるとは言難い状況だが、公務員の場合は確実に退職金が支払われる 

マイナス要因

  • デジタル化による業務効率化: AIやデジタル化により一部の事務作業は効率化
  • 財政悪化: 地方自治体の財政難により給与削減の可能性
  • 働き方改革の遅れ: 長時間労働が常態化している部署も

今後の展望

公務員は、社会インフラ・福祉・防災など私たちの生活に欠かせない業務を担うため、需要は常に一定以上あります。

AIやデジタル化により一部の事務作業は効率化されますが、人と対話する業務や判断が必要な業務は引き続き重要です。少子高齢化が進む中、地域行政・福祉・防災分野は特にニーズが高まると予想されます。

「安定性」「社会貢献」「幅広いキャリア」の3つを求める人にとって、非常に魅力的な進路です。

📌 まとめ(ショート版)

項目内容
職業名公務員(国家公務員・地方公務員)
仕事内容行政サービス・福祉・防災・インフラなど、社会を支える仕事
平均年収約675万円(国家約684万円、地方約666万円)
初任給(大卒)約21〜22万円
退職金(定年)約2,147〜2,287万円
進路大学 → 公務員試験(総合職・一般職・地方上級など)→ 採用
難易度(総合)★★★☆☆(3/5)
向いている人人をサポートすることにやりがいを感じ、安定を求める人。社会貢献に興味がある人
将来性安定した雇用と社会的ニーズ。デジタル化が進んでも、人と対話する業務は重要


📚 参考文献・データ出典

本記事は以下の信頼できる情報源を参考に作成しました:

  1. 資格の予備校LEC「公務員の年収・給料」
  2. アガルート「公務員の年収・給与はどれくらい?」
  3. イオン銀行「公務員の給料はどれくらい?」
  4. ユーキャン「公務員の平均年収は約674万円」
  5. シニアタイムズ「公務員の平均年収を徹底解説!」
  6. 伊藤塾「地方公務員の年収は高い?」

💡 情報の信頼性について

本記事に記載されているデータは、2024年〜2025年時点の最新情報に基づいています。ただし、年収は職種・自治体・経験年数によって変動する可能性があります。

より詳細な情報については、以下をご確認ください:

  • 人事院「国家公務員給与等実態調査」
  • 総務省「地方公務員給与実態調査」
  • 各省庁・自治体の採用ページ

記事作成日: 2025年11月11日
最終更新日: 2025年11月11日
データ基準日: 2024年〜2025年




学習塾宗樹舎のHPはこちら👉https://soukisya.com/

0 件のコメント:

コメントを投稿